眼の力と言っても、昨今言われるメヂカラ👀ではない。
先日、東京美術商協同組合の秋季オークションを体験してきた。
このオークションは、東京美術商協同組合に所属している美術商だけが参加できる、プロだけのオークション。
出品されている美術品の中にはミュージアムピースも混じる、
その辺の骨董市とはレベルが違う、ハイエンドな市場。
店主の意向で勉強のために同行したのだが、体験してみてはっきり分かった事があった。
それが「眼の力」。
行くまでは、先日ブログに書いた「センスを研く美術館巡り」みたいな感じ🎶 と思っていたのだが、行ってみると大いなる勘違い。
そこはプロがしのぎを削る本気売買の場。
もちろんキャプションなんかあるわけもなく(笑)、本物だという保証もない(泣)。
頼りになるのは本当に自分の「眼の力」だけ。
こんなに怖い買い物の場、見たことない。。。
あらゆるジャンルの物が出ているジャングルのような場所を、とりあえず、アルテクラシカで慣れ親しみつつある茶碗だけに絞って、店主の後を必死でついて行く。
はっとする優品から、訳のわからない迷品まで混在していて、まさに玉石混合。
オークションでは競りあげるサクラ役もいるらしいので、真贋、クオリティ、そして価格、全ての見極めが「眼の力」によるものなのだ。
店主がなぜ、美術館でのあの見方を勧めるのか、背に汗をかきながら分かった気がした。
新人の私に要所要所で解説をしてくれる店主の言葉を聞き漏らさないように、必死。
残念ながら、私にはまだまだ、はっきり見えてこない。
アルテクラシカに並ぶ江戸時代の美しい茶碗たちは、店主が店で絶対の自信を持ってお見せできるよう、本当に厳しい「眼の力」によって選ばれし物たちで、
簡単に並んでいる訳ではなかった。
凄い世界を見てきたものです。
M