先日好評のうちに幕を下ろしたサントリー美術館の桃山茶陶展。
私的に嬉しかったのは個人所蔵の優品が数多く出ていた事だ。
個人所蔵の優品がたくさん出ていると、「まだまだ民間にこんなにあるんだ!」
と労働意欲(?)が湧いてくる(笑)!
美術館所蔵の品は基本的には扱えないからねぇ。
職業病でございます。
さて、昨年の根津美術館、そして今回のサントリー美術館と、桃山関連を続けて見ていて、
前々から思っている疑問が益々強まってきた。
それは、筒向付が余りにもたくさん伝世している事実に関してである。
よく筒向付は使いにくいとか言われるけど、使いにくい物、わざわざ作るわけがない。
沢山残っていると言う事は、あの形が食べやすい何かを食べる食器として流行していたはず。
筒向付と言う使い方自体が後付けで、
そう呼ばれてはいるが、そもそも向付として作られたわけではないのかも知れないのだ。
いったい何を食べていたのだろうか❓❓❓
疑問は強まるばかりだ。
我々はともすると現在定着している茶道の姿が、あたかも400年前からあったかのような錯覚に陥る。
しかし、桃山期の陶磁器が必ずしも茶の湯のために作られたとは限らず、
茶の湯とは違う、我々の知らない富裕層の贅沢な遊び方があったのかもしれないのだ。
いやぁ、ロマンチック!!
そんな風に想像を膨らませると、
ますます桃山陶磁器(あえて茶陶とは言いません)に引き込まれて行く
自分に気付く、今日この頃でございます。
(I)