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Arte Classica by Ishiguro Gallery

雨漏茶碗、現る

 

冬空にめいっぱい手を伸ばす枝々から、季節のうつろいを感じるころとなりました。

 

今回、根津美術館で開催されている「根津美術館の国宝・重要文化財」展へ
堅手茶碗「長崎」に会えることを楽しみに行ったのですが、
なんとも堂々たる雨漏茶碗の姿に、ググッと心を奪われ、しばし見入ってしまいました。

 

ピンホールから入ったシミや入(ニュウ)から沁みたグラデーション、

それらが模様のように感じられ、星に見えたり、鳥に見えたり、様々な景色として目の前に現れ、

ずっと眺めていても飽きない茶碗の表情。
大ぶりでゆったりとした轆轤目、高台も大きく地にしっかりと根ざした安定感が、
力強さをより際立たせているのかもしれません。

 

あくまでも私見ですが、横に並ぶ楚々とした雰囲気の青井戸茶碗「柴田」を凌駕するような、
圧倒的なる存在感。
今まで、雨漏茶碗というとおどろおどろしい感じがして好みではなかったのですが、
とても美しく、古格な中に洗練されたものを感じました。

 

名碗というのは、どうしても手のひらにおさめて、持った感じや重さを記憶してみたいと思うものですね。

 

茶碗のご機嫌もありますが、観る側の心持ちもその時々で異なるので、
やはりリアルで観る醍醐味は、新たなる気づきが沢山あることだな、

と思いつつ根津美術館を後にしました。

 

根津美術館の国宝・重要文化財」展は、12月20日(日)まで開催されています。

 

(A)

 

抹茶茶碗 Arte Classica アルテクラシカ

 

江戸時代の茶碗セレクトショップ|アルテクラシカ

アルテクラシカは、古美術商石黒ギャラリーが根津美術館の向かい側にオープンした、江戸時代(古美術)及び、現代作家の抹茶茶碗を扱うお店です。併せて、現代の生活空間で抹茶を楽しむための、新しいスタイルの茶器・茶筅・柄杓等の取り扱いもしております