たっぷりと水気を含んだ緑に、心うるおう頃となりました。こんにちは、アルテクラシカ店長の荒木香奈です。
アルテクラシカで働くようになってから、心を整えて一日を気持ちよくスタートさせるために、お店のオープン前に、一服抹茶を飲むのが日課となっております。そんなひとときに欠かせない道具の一つが茶筅。その産地、奈良県生駒市高山の歴史は古く、室町時代まで遡り、今回お願いをした茶筅師谷村丹後さんは、一子相伝で伝わる20代目、約460年の伝統を受け継いでいらっしゃいます。
造形的な美しさが際立つ茶筅は、竹の性質によって削り方を変えたりと素材の声に耳を傾けながら一刀一刀刻んでいく熟練の技が必要とされるそうです。
抹茶を点てるための道具として、一切無駄の無い、究極の形。そんな究極の逸品だからこそ、なかなか個性が出しにくいですが、茶筅のかがり糸をカラフルな色にするだけで、なんだか心持ち軽やかになり、日々のお茶が愉しくなる茶筅を谷村さんに作っていただきました。
ちょっとしたことですが、茶筅を振るのが楽しくなるものです。
色とりどりの七色。
茶杓は、煤竹としみ竹の2種類。しみ竹は、成長する過程で何らかの理由で水が竹のなかに入り、そのしみが模様となり、表面に浮き出た竹。それぞれに表情のある景色を楽しめます。
柄杓は、テーブルで使うためにお湯を受ける合(ごう)や持ち手、柄(え)の大きさ長さを整えて、作っていただきました。
お湯の量を計るためにも日々あると嬉しいです。
竹の美しさを堪能できる、ちょっといいお道具で抹茶を点てるのもよいものですね。
谷村丹後さんのプロフィール
1964年奈良県生まれ。関西大学商学部卒業後、大阪にてサラリーマンや輸入雑貨販売店経営を経て、1993年より、奈良県生駒市にて家業に専従し、2006年当代第20代目谷村丹後を襲名。2013年中田英寿氏主催の「REVALUE NIPPON CHARITY GALA with GUCCI」 に佐藤可士和氏、田川欣哉氏と共に参加し、「The Take Fino」を制作出展。2015年経済産業大臣指定伝統工芸士に認定される。
「Invitation to MATCHA LIFE」は、6月19日(日)まで開催しております。
お近くにいらした際は、是非お立ち寄り下さい。心よりお待ちしております。