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Arte Classica by Ishiguro Gallery

魚屋のボン

魚屋のボン。
と言っても「さかなやの坊っちゃん」の話ではない。

魚屋と書いてトトヤと読み、斗々屋とも書く、茶碗の話。
トトヤには本手と平があるが、今日は平の話。

 

夏の平茶碗の中で、よほど流行ったのか、比較的数が多いが、
良いのか悪いのか分からないものも含めて(笑)、
沢山あるわりに、魅力の乏しい物が多い。

 

トトヤのボンとは「トトヤのボンクラ」の略で、
魅力に欠けるトトヤ茶碗を個人的にそう呼んでいる。
ボンクラとは盆暗と書き、元々は賭博用語らしいが、
転じて、ぼんやりしていてぱっとしない様を言う。
私の親愛なる師匠が魅力のない物に好んでお使いになっていた言葉で、
私も受け売りで使っている。

 

以前に蕎麦茶碗について書いたが、蕎麦がレアなのに対して数が多いのは、
あくまで推測だが、蕎麦タイプの人気が高まり、
その需要にトトヤがはまったのではないだろうか。

 

ところで、トトヤの平は数はあるのに、なぜか有名品が少ない。
ぱっと思い浮かぶのは、かの有名な「広島」くらいだろうか。
改めて調べてみると、やはり少ない。
そうなると、これはいよいよトトヤの平で魅力的と言うと
貴重だと言う事になってくる。

 

何と言っても広島が断トツだが、藤田家旧蔵の一碗もなかなかの逸品だ。
要は、トトヤの平の出来が良いのに出会ったら決して逃すな、と言う話である。
平茶碗だから、とか言ってる場合ではない。

 

(I)

 

抹茶茶碗 Arte Classica アルテクラシカ

Arte Classica | アルテクラシカ。江戸時代及び現代作家の抹茶茶碗を扱う店。

アルテクラシカは、古美術商石黒ギャラリーが根津美術館の向かい側にオープンした、江戸時代(古美術)及び、現代作家の抹茶茶碗を扱うお店です。併せて、現代の生活空間で抹茶を楽しむための、新しいスタイルの茶器・茶筅・柄杓等の取り扱いもしております