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Arte Classica by Ishiguro Gallery

眼の力

 

眼の力と言っても、昨今言われるメヂカラ👀ではない。

 

先日、東京美術商協同組合の秋季オークションを体験してきた。
このオークションは、東京美術商協同組合に所属している美術商だけが参加できる、プロだけのオークション。
出品されている美術品の中にはミュージアムピースも混じる、
その辺の骨董市とはレベルが違う、ハイエンドな市場。

 

店主の意向で勉強のために同行したのだが、体験してみてはっきり分かった事があった。
それが「眼の力」。

 

行くまでは、先日ブログに書いた「センスを研く美術館巡り」みたいな感じ🎶 と思っていたのだが、行ってみると大いなる勘違い。
そこはプロがしのぎを削る本気売買の場。
もちろんキャプションなんかあるわけもなく(笑)、本物だという保証もない(泣)。
頼りになるのは本当に自分の「眼の力」だけ。
こんなに怖い買い物の場、見たことない。。。

 

あらゆるジャンルの物が出ているジャングルのような場所を、とりあえず、アルテクラシカで慣れ親しみつつある茶碗だけに絞って、店主の後を必死でついて行く。
はっとする優品から、訳のわからない迷品まで混在していて、まさに玉石混合。
オークションでは競りあげるサクラ役もいるらしいので、真贋、クオリティ、そして価格、全ての見極めが「眼の力」によるものなのだ。
店主がなぜ、美術館でのあの見方を勧めるのか、背に汗をかきながら分かった気がした。

 

新人の私に要所要所で解説をしてくれる店主の言葉を聞き漏らさないように、必死。
残念ながら、私にはまだまだ、はっきり見えてこない。

 

アルテクラシカに並ぶ江戸時代の美しい茶碗たちは、店主が店で絶対の自信を持ってお見せできるよう、本当に厳しい「眼の力」によって選ばれし物たちで、
簡単に並んでいる訳ではなかった。

 

凄い世界を見てきたものです。

 

M

36人の侍

 

今からちょうど100年前。
1919年の暮れも押し迫った師走20日。
日本美術史上に燦然と輝く大事件は起きた。
秋田佐竹家に長きに渡り秘蔵されていた、佐竹本三十六歌仙絵巻の分割である。
この離れ離れとなった三十六歌仙絵が、過去最多規模で、
今秋、京博に集結している。
佐竹本と言えば、古美術商にとっても雲の上の特別な存在。
正直、「扱う事もないだろうが、一応見ておくか」、くらいの軽い気持ちで赴いた。
が、しかし、集結して束になった佐竹本は半端なかった。
過去に単体で見た事はあったのだが、集結する事によってただならぬオーラで迫ってきたのである。
分かっていなかった自分を恥じ、そして無性に感動した。
「こんなに凄い物が秋田の地に眠っていたのか!1人で買いきれないなら、分割してでも海外流出を防ぐのだ」と
100年前に鈍翁を奮い立たせた何かが伝わってきた。
そして、分割された三十六歌仙への各持ち手の思いが、各々の好み表装という鏡に写されている。
心を打たれるエピソードがある。
住友家15代当主春翠は、各持ち手が様々な趣向を凝らして披露茶会を試みたのを横目に、生涯ただの一度も茶会で使う事はなかったと言う。勿論、門外不出。今も住友家を離れていない。
佐竹本の一角を担う役目への並々ならぬ覚悟と敬意が感じられ、美術品に向き合うその姿勢は、ただただ美しい。
今回の展覧会では、歌仙絵それ自身の素晴らしさを楽しむのは勿論だが、
同時に、長きに渡り秘蔵された国の宝を、力を合わせて後世に繋がんとした36人の侍たちの物語としても味わうべきだ。
レベルは違えど、後世への繋ぎ役と言う、古美術商の本懐を思い知らされ、背筋が伸びる。

 

11/24まであと僅か。
決して見逃すなかれ。

 

(I)

 

 

November 2019 Calendar

 

平素は当店をお引き立ていただき、誠にありがとうございます。

 

さて、アルテクラシカは、本年度2019年4月1日より、定休日を(月)(木)、(月)(木)が祝日の場合は営業、翌日を休業日とさせていただいております。

 

11月の休業日は下記となります。
誠に勝手ながら、11月6日(水)を臨時休業とさせていただきます。

 

皆様のご来店を、心よりお待ち申し上げております。

 

【定休日】11/5(火)・7(木)・11(月)・14(木)・18(月)・21(木)・25(月)・28(木)

 

【臨時休業】11/6(水)

 

Arte Classica アルテクラシカ 抹茶茶碗

Arte Classica | アルテクラシカ。江戸時代及び現代作家の抹茶茶碗を扱う店。

アルテクラシカは、古美術商石黒ギャラリーが根津美術館の向かい側にオープンした、江戸時代(古美術)及び、現代作家の抹茶茶碗を扱うお店です。併せて、現代の生活空間で抹茶を楽しむための、新しいスタイルの茶器・茶筅・柄杓等の取り扱いもしております