茶碗には機嫌のいい時と悪い時がある。
観る側にもご機嫌の時とそうでもない時があり、それゆえ、同じ茶碗でも毎回見るたびに違って見える。
開催中の「根津美術館の国宝・重要文化財」展の重文茶碗4点の1つ、
ほの暗い展示室に
引き締まった絶妙のプロポーションで
湯上がりのような淡いピンク色に輝いていたのは
青井戸「柴田」。
これが青❓と思わざるを得ないほどの温かいほのかな色で照り輝く。
この色をしあわせ色と呼ばずになんと呼ぶ?!
天下人・信長が家臣の柴田勝家に与えたとされるが、
武勇で知られ、鬼柴田との異名もある戦国武将きっての武人に
なんとも端正な茶碗が下賜されたものだ❗
現代は幸せ色に照っているが、灯りもほの暗かったであろう織豊時代、徳川江戸時代と
この茶碗はどんな原景色を眺めて来たのだろうか。
先週、Aもブログで書いていたが、
美術館の茶碗は手に取ることはなかなか叶わないけれども
400年以上もの年月を茶碗たちがどう過ごし、何を見てきたのかに
想いを馳せる事はできるし、それこそが茶碗鑑賞の醍醐味の一つかと思う。
何度見ても毎回違う表情を見せる茶碗たち。
勿論、「柴田」も。
改めて、是非ご訪問ください。
M